ビタミンとミネラルや、体に良い物質について、自分が調べて現在信じている内容をまとめる。
摂取量に関しては日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考にしている。
サプリでの摂り方
サプリを飲んでビタミンやミネラルを摂る上で、意識すること。
- 水溶性ビタミンはすぐに排出されてしまうため、頻繁に摂る必要がある。これらのビタミンは1日に数回に分けて、高頻度に摂取するのがベスト。
- 過剰摂取した場合に健康障害が確認されているものは、耐用上限量を意識した摂取が必要になる。(食事、日光浴等で摂取した量や、他の物質による効果を考える。)
1日の摂取回数 頻繁が良い | 摂取する量 無制限で良い |
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ビタミンA | ❌ | |
↳βカロテン | ✅ | |
ビタミンD | ❌ | |
ビタミンE | ❌ | |
ビタミンK | ✅ | |
ビタミンB1 | ✅ | ✅ |
ビタミンB2 | ✅ | ✅ |
ビタミンB3 - ナイアシン | ✅ | ❌ |
↳ナイアシンアミド | ✅ | ✅ |
ビタミンB5 - パントテン酸 | ✅ | ✅ |
ビタミンB6 | ✅ | ❌ |
ビタミンB7 - ビオチン | ✅ | ✅ |
ビタミンB9 - 葉酸 | ✅ | ❌ |
ビタミンB12 | ✅ | ✅ |
ビタミンC | ✅ | ✅ |
カリウム | ✅ | |
ナトリウム | ❌ | |
リン | ❌ | |
カルシウム | ❌ | |
マグネシウム | ❌ | |
鉄 | ❌ | |
亜鉛 | ❌ | |
マンガン | ❌ | |
銅 | ❌ | |
ヨウ素 | ❌ | |
セレン | ❌ | |
モリブデン | ❌ | |
クロム | ❌ |
ビタミン
健康を維持するために必要な有機物質で、体内ではほとんど作られない、かつ、一部のビタミン(水溶性ビタミン)は体内で蓄えることができず尿で排出されるため、定期的に摂取する必要がある。
ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類される。
脂溶性ビタミンについて
脂肪(脂質)に溶けて肝臓や脂肪組織に蓄えられるビタミン。過剰に摂取した場合、水溶性ビタミンのように尿で排出されないので過剰摂取を防ぐ必要がある。
加熱調理した食品でも脂溶性ビタミンは破壊されない。
機能概要 | 成人目安 / 上限 (5歳目安 / 上限) | |
---|---|---|
ビタミンA レチノール (β-カロテン等) | 皮膚や粘膜を健全に保つ。 視力を保つ。 | 850μg / 2,700μg (450μg / 700μg) |
ビタミンD | 骨や歯の形成。 カルシウムとリンの吸収に関与。 | 8.5μg / 100μg (3.5μg / 30μg) |
ビタミンE | 抗酸化作用。 ホルモン分泌を調整。 血行をよくする。 | 7.0mg / 750mg (4.0mg / 200mg) |
ビタミンK | 出血時に血を止める。 骨を強くする。 | 150μg (60μg) |
水溶性ビタミンについて
水に溶け、尿からも排泄され、脂溶性ビタミンよりも早く体外に排出される。
食品の保存や調理によって破壊されやすい。
機能概要 | 成人目安 / 上限 (5歳目安 / 上限) | |
---|---|---|
ビタミンB1 チアミン | 糖分をエネルギーに変換。 筋肉と神経を健全に保つ。 脳の働きに関与。 | 1.4mg (0.5mg) |
ビタミンB2 リボフラビン | 脂質をエネルギーに変換。 過酸化脂質の分解。 皮膚や粘膜を健全に保つ。 | 1.6mg (0.8mg) |
ビタミンB3 ナイアシン | エネルギー生産。 皮膚や粘膜をサポート。 脂質や糖質の分解。 神経を健全に保つ。 血液循環を良くする。 | 15mg / 80mg (8mg / 20mg) |
ビタミンB5 パントテン酸 | エネルギー生産。 ストレスへの抵抗。 神経を正常に保つ。 皮膚や毛根をサポート。 | 5mg (4mg) |
ビタミンB6 | エネルギー生産。 タンパク質の合成。 神経を正常に保つ。 脂質の抗酸化をサポート。 | 1.4mg / 55mg (0.6mg / 15mg) |
ビタミンB7 ビオチン | エネルギー生産。 皮膚や頭髪、神経を正常に保つ。 | 50μg (20μg) |
ビタミンB9 葉酸 | 赤血球をつくる。 細胞分裂や成長を促進する。 | 240μg / 900μg (110μg / 300μg) |
ビタミンB12 | 赤血球をつくる。 神経細胞を修復する。 | 2.4μg (1.1μg) |
ビタミンC アスコルビン酸 | 皮膚や血管を健全に保つ。 抗酸化作用。 | 100mg (50mg) |
ビタミンA – レチノール Retinol
ビタミンAの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐容上限量 |
---|---|
成人男性 | 800μg / 2,700μg |
成人女性 | 650μg / 2,700μg |
5歳 | 450μg / 600μg |
30歳妊婦(後期) | 780μg / 2,700μg |
30歳授乳婦 | 1,150μg / 2,700μg |
ビタミンAの詳細
- ビタミンAの物質名:
- レチノール Retinol
- 体内でビタミンA(レチノール)に変換される主なプロビタミンA:
- β-カロテン β-Carotene
- α-カロテン α-Carotene
- β-クリプトキサンチン β-Cryptoxanthin
- 肝臓に大量に蓄えられる。
- ビタミンAが不足するとβ-カロテン等のプロビタミンAがビタミンAに変換される。そのため、プロビタミンAを多く摂ると良い。
- ビタミンAの機能:
- 網膜細胞の保護作用や視細胞における光刺激反応。
- ビタミンAが足りない場合:
- 暗順応障害や夜盲症が起こる。(乳幼児では角膜乾燥症から失明も。)
- 皮膚の乾燥、肥厚、角質化が起こる。
- ビタミンAを摂りすぎた場合:
- 頭痛、脳脊髄液圧の上昇が起こる。
- 頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛が起こる。
- ビタミンAを含む食べ物:
- にんじん。
- うなぎ。
- 推奨量はプロビタミンA含めたレチノール活性当量。
- 食品由来のβ-カロテン約12µg→レチノール1µg
- 食品由来のその他プロビタミンA約24µg→レチノール1µg
- サプリ由来のβ-カロテン約2µg→レチノール1µg
- 体外排泄量(必要量):9.3μg/kg体重/日。
- 例:60kgの人はビタミンAを1日に約60×9.3=558μgの補給が必要。
サプリ由来のβ-カロテン、558×2=1,116μg相当。
- 例:60kgの人はビタミンAを1日に約60×9.3=558μgの補給が必要。
食品由来のβ-カロテン約12µgがレチノール1µgに変換されると考えられているが、サプリ由来のβ-カロテン(精製β-カロテンを油に溶かしたサプリ)はその6倍程度、約2µgがレチノール1µgに変換されると考えられている。
ビタミンD
ビタミンDの摂取量
年齢性別等 | 目安量 / 耐容上限量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 8.5µg / 100µg |
5歳 | 3.5µg / 30µg |
ビタミンDの詳細
- ビタミンDの物質名:
- ビタミンD2:エルゴカルシフェロール Ergocalciferol
- ビタミンD3:コレカルシフェロール Cholecalciferol
- 食物から摂取できるが、皮膚でも紫外線により生産される。
- 皮膚で生産される量は、季節や環境等によって異なる。
- 皮膚での産生は調節されていて、必要以上のビタミンDは作られない。
- ビタミンDの機能:
- 腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進。
- ビタミンDが足りない場合:
- 石灰化障害、低カルシウム血症等が起こる。
- ビタミンDを摂りすぎた場合(食物からの摂取量が耐容上限量を大幅に超えた場合):
- 高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化等が起こる。
- ビタミンDを含む食べ物:
- しいたけ。
- ちりめんじゃこ。
ビタミンE
ビタミンEの摂取量
年齢性別等 | 目安量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 6.0mg / 850mg |
成人女性 | 5.0mg / 650mg |
5歳 | 4.0mg / 200mg |
妊婦 | 6.5mg |
授乳婦 | 7.0mg |
ビタミンEの詳細
- ビタミンEの物質名:
- トコフェロール α-Tocopherol … γ-Tocopherol
- トコトリエノール α-Tocotrienol … γ-Tocotrienol
- ビタミンEの機能:
- 生体膜を構成する不飽和脂肪酸を酸化障害から防御する。
- ビタミンEが足りない場合(通常の食生活ではありえない):
- 不妊、脳軟化症、肝臓壊死、腎障害、溶血性貧血、筋ジストロフィーなどの症状が起こる。
- ビタミンEを摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 出血傾向が上昇する。
- ビタミンEを含む食べ物:
- ひまわり油、べにばな油。
- アーモンド、落花生、大豆。
- いくら、たらこ。
ビタミンK
ビタミンKの摂取量
年齢性別等 | 目安量 |
---|---|
成人男性 成人女性 妊婦 授乳婦 | 150µg |
5歳 | 60µg |
ビタミンKの詳細
- ビタミンKの物質名:
- ビタミンK1:フィロキノン Phytomenadion, Phylloquinone
- ビタミンK2:メナキノン Menaquinone
- ビタミンKの機能:
- 血液凝固因子を活性化、血液の凝固の促進。
- 骨形成の調節。
- 動脈の石灰化を抑制。
- ビタミンKが足りない場合(通常の食生活ではありえない):
- 血液凝固が遅延する。
- 骨折のリスクが上がる。
- ビタミンKを摂りすぎた場合:
- 健康障害は確認されていない。
- ビタミンKを含む食べ物:
- 納豆、ほうれん草。
ビタミンB1 – チアミン Thiamin
ビタミンB1の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 |
---|---|
成人男性 | 1.4mg |
成人女性 30歳妊婦 30歳授乳婦 | 1.1mg |
5歳 | 0.7mg |
ビタミンB1の詳細
- ビタミンB1の物質名:
- チアミン Thiamin
- ビタミンB1の機能:
- 補酵素型のThDPとして、グルコース代謝と分枝アミノ酸代謝などに関与。
- ビタミンB1が足りない場合:
- 神経炎や脳組織への障害が起こる。
- 脚気、ウェルニッケ-コルサコフ症候群。
- ビタミンB1を摂りすぎた場合:
- 健康障害は確認されていない。
- ビタミンB1を含む食べ物:
- 大豆、そば。
- 豚肉、たらこ、うなぎ、牡蠣。
ビタミンB2 – リボフラビン Riboflavin
ビタミンB2の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 |
---|---|
成人男性 | 1.6mg |
成人女性 | 1.2mg |
5歳 | 0.8mg |
30歳妊婦 | 1.5mg |
30歳授乳婦 | 1.8mg |
ビタミンB2の詳細
- ビタミンB2の物質名:
- リボフラビン Riboflavin
- ビタミンB2の機能:
- 補酵素FMNやFADとして、エネルギー代謝や物質代謝に関与。
- TCA回路、電子伝達系、脂肪酸のβ酸化のエネルギー代謝に関与。
- ビタミンB2が足りない場合:
- 成長抑制を引き起こす。
- 口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎が起こる。
- ビタミンB2を摂りすぎた場合:
- 健康障害は確認されていない。
- ビタミンB2を含む食べ物:
- 牛レバー、卵。
ビタミンB3 – ナイアシン Niacin
ナイアシンの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 15mg / 80mg |
成人女性 | 11mg / 65mg |
5歳 | 8mg / 20mg |
30歳妊婦 | 12mg |
30歳授乳婦 | 15mg |
ナイアシンの詳細
- ナイアシンの主な化合物:
- ニコチン酸 Nicotinic acid (Na)
- ニコチンアミド Nicotinamide (NAM)
- トリプトファン Tryptophan (Trp, W)
- 肝臓でナイアシンを生合成している。
- 約60mgのトリプトファン→1mgのニコチンアミド。
- ナイアシンの機能:
- ATP産生、ビタミンC、ビタミンEを介する抗酸化系、脂肪酸の生合成、ステロイドホルモンの生合成等の反応に関与。
- DNAの修復、合成、細胞分化に関与。
- ナイアシンが足りない場合:
- 皮膚炎、下痢、 精神神経症状が起こる。
- ナイアシンを摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 消化不良、重篤な下痢、便秘が起こる。
- 肝機能低下、劇症肝炎が起こる。
- 皮膚発赤作用が起こるが、これは健康上悪影響を及ぼすわけではない。
- ナイアシンを含む食べ物:
- まぐろの赤身、たらこ。
ビタミンB5 – パントテン酸 Pantothenic acid
パントテン酸の摂取量
年齢性別等 | 目安量 |
---|---|
成人男性 成人女性 妊婦 | 5mg |
5歳 | 4mg |
15歳 | 7mg |
授乳婦 | 6mg |
パントテン酸の詳細
- パントテン酸の機能:
- 糖及び脂肪酸代謝に関与。
- パントテン酸が足りない場合(通常の食生活ではありえない):
- 成長停止や副腎傷害、手や足のしびれと灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振などが起こる。
- パントテン酸を摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 健康障害は確認されていない。
- パントテン酸を含む食べ物:
- 豚レバー
- 納豆。
ビタミンB6
ビタミンB6の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 1.4mg / 55mg |
成人女性 | 1.1mg / 45mg |
5歳 | 0.6mg / 15mg |
30歳妊婦 | 1.3mg |
30歳授乳婦 | 1.4mg |
ビタミンB6の詳細
- ビタミンB6の物質名:
- ピリドキサール Pyridoxal
- ピリドキサミン Pyridoxamine
- ピリドキシン Pyridoxine
- ビタミンB6の機能:
- アミノ基転移反応、脱炭酸反応、ラセミ化反応などに関与する酵素の補酵素として働く。
- 免疫系の維持に関与。
- ビタミンB6が足りない場合:
- ペラグラ様症候群、脂漏性皮膚炎、舌炎、口角症、リンパ球減 少症が起こる。
- うつ状態、錯乱、脳波異常、痙攣発作が起こる。
- ビタミンB6を摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- ピリドキシンを大量摂取すると、感覚性ニューロパシーを発症する。
- ビタミンB6の効果:
- 大腸がんの予防因子として考えられている。
- ビタミンB6を含む食べ物:
- さんま。
- バナナ。
ビタミンB7 – ビオチン Biotin
ビオチンの摂取量
年齢性別等 | 目安量 |
---|---|
成人男性 成人女性 妊婦 授乳婦 | 50µg |
5歳 | 20µg |
ビオチンの詳細
- ビオチンの機能:
- 糖新生、脂肪酸合成に関与。
- 抗炎症物質を生成することによってアレルギー症状を緩和する。
- ビオチンが足りない場合:
- 乳酸アシドーシスなどの障害。
- リウマチ、シェーグレン症候群、クローン病などの免疫不全症。
- 1型及び2型の糖尿病に関与。
- 乾いた鱗状の皮膚炎、萎縮性舌炎、食欲不振、むかつき、吐き気、憂うつ感、顔面蒼白、性感異常、前胸部の痛み等。
- ビオチンを摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 健康障害は確認されていない。
- ビオチンを含む食べ物:
- 大豆。
- カレイ。
ビタミンB9 – 葉酸 Folic acid
葉酸の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 240µg / 900µg |
5歳 | 110µg / 300µg |
30歳妊婦 | 480µg |
30歳授乳婦 | 340µg |
葉酸の詳細
- 葉酸の物質名:
- プテロイルモノグルタミン酸 Pteroylmonoglutamic acid
- 葉酸の機能:
- 一炭素単位を転移させる酵素の補酵素。
- 細胞の増殖、DNAやRNAの合成に必要なプリンヌクレオチドやデオキシピリミジンヌクレオチドの合成に関与。
- 葉酸が足りない場合:
- 巨赤芽球性貧血が起こる。(ビタミンB12欠乏症と同様。)
- 動脈硬化の引き金等になる血清ホモシステイン値が上がる。
- 葉酸を摂りすぎた場合:
- 神経症状の発現又は悪化。
- 葉酸を含む食べ物:
- 牛レバー。
- ほうれん草。
ビタミンB12
ビタミンB12の摂取量
年齢性別等 | 目安量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 2.4µg |
5歳 | 1.1µg |
30歳妊婦 | 2.8µg |
30歳授乳婦 | 3.2µg |
ビタミンB12の詳細
- ビタミンB12の主な物質名:
- シアノコバラミン Cyanocobalamin
- メチルコバラミン Methylcobalamin
- ヒドロキソコバラミン Hydroxocobalamin
- ビタミンB12の機能:
- 奇数鎖脂肪酸やアミノ酸(バリン、イソロイシン、トレオニン)の代謝に関与。
- メチオニンの生合成に関与。
- ビタミンB12が足りない場合:
- 巨赤芽球性貧血、脊髄及び脳の白質障害、末梢神経障害が起こる。
- ビタミンB12を摂りすぎた場合:
- 健康障害は確認されていない。(胃から分泌される内因子によって、体内への吸収量が厳密に調節されている。)
- ビタミンB12を含む食べ物:
- 豚レバー。
- あさり。
ビタミンC – アスコルビン酸 Ascorbic acid
ビタミンCの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 100mg |
5歳 | 50mg |
30歳妊婦 | 110mg |
30歳授乳婦 | 145mg |
ビタミンCの詳細
- ビタミンCの物質名:
- アスコルビン酸 Ascorbic acid
- ビタミンCの機能:
- 皮膚や細胞のコラーゲンの合成に関与。
- 抗酸化作用により、体内でビタミンEと協力して活性酸素を消去して細胞を保護。
- ビタミンCが足りない場合:
- コラーゲンが生成できず血管がもろくなり、出血傾向、壊血病となる。
- 疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難等。
- ビタミンCを摂りすぎた場合:
- 過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下する。
- ビタミンCの効果:
- 喫煙者は非喫煙者よりビタミンCの必要性が高い。
- ビタミンCを含む食べ物:
- レモン。
- じゃがいも。
ミネラル
体を組織している元素のうち、4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の元素をミネラルと言う。体全体の5%未満がミネラルだが、体内では作れない物質であるため、食品で摂るしかない。
適度な量を摂取する必要があり、足りないのも過剰摂取も病気等に繋がる。
日本人の食事摂取基準には13種類のミネラルが含まれている。
機能概要 | 成人目安 / 上限 (5歳目安 / 上限) | |
---|---|---|
カリウム | 神経や筋肉を正常に保つ。 ミネラルバランスを維持。 | 2,500mg (1,000mg) |
ナトリウム | 神経や筋肉を正常に保つ。 | 600mg (-) |
リン | 骨や歯の形成。 核酸の成分。 | 1,000mg / 3,000mg (700mg) |
カルシウム | 骨や歯の形成。 筋肉の収縮作用を調整。 神経の感度調節。 | 800mg / 2,500mg (600mg) |
マグネシウム | 血管の機能を正常に保つ。 骨や歯の形成。 | 340mg (100mg) |
鉄 | 酸素を運ぶ。 エネルギー生産に関与。 | 7.5mg / 50mg (5.5mg / 25mg) |
亜鉛 | タンパク質や核酸の合成に関与。 味覚を正常に保つ。 | 11mg / 40mg (4mg) |
マンガン | 糖質、脂質、タンパク質の代謝。 過酸化脂質の生成を抑える。 | 4mg / 11mg (1.5mg) |
銅 | 過酸化脂質の生成を抑える。 鉄の吸収を促進。 | 0.9mg / 7mg (0.4mg) |
ヨウ素 | 甲状腺ホルモンの構成成分。 | 130µg / 3,000µg (60µg / 400µg) |
セレン | 過酸化脂質を分解。 | 30µg / 450µg (15µg / 100µg) |
モリブデン | 尿酸の生成に関与。 | 30µg / 600µg (10µg) |
クロム | 糖質の代謝を正常にする。 | 10µg / 500µg (-) |
カリウム – Potassium (K)
カリウムの摂取量
年齢性別等 | 目安量(目標量) |
---|---|
成人男性 | 2,500mg(3,000mg以上) |
成人女性 妊婦 | 2,000mg(2,600mg以上) |
5歳 | 1,000mg(1,400mg以上) |
授乳婦 | 2,200mg(2,600mg以上) |
カリウムの詳細
- カリウムの機能:
- 体液の浸透圧を決定する重要な因子。(細胞内液の主要な陽イオンK+)
- 酸・塩基平衡を維持する。
- 神経や筋肉の興奮伝導に関与。
- カリウムが足りなくなることは、健康状態で通常の食生活ではありえない。
- カリウムの過剰摂取のリスクは低いと考えられている。
- カリウムを含む食べ物:
- こんぶ、バナナ。
ナトリウム – Sodium (Na)
ナトリウムの摂取量
年齢性別等 | 推定必要量 / 食塩相当量(目標量) |
---|---|
成人男性 | 600mg / 1.5g(7.5g未満) |
成人女性 妊婦 授乳婦 | 600mg / 1.5g(6.5g未満) |
5歳 | – / -(3.5g未満) |
ナトリウムの詳細
- ナトリウムの機能:
- 細胞外液量を維持。(細胞外液の主要な陽イオンNa+。)
- 浸透圧、酸・塩基平衡の調節に関与。
- 胆汁、膵液、腸液の材料。
- 小腸で吸収され、皮膚、便、尿から出る。
- ナトリウムが足りないことは、通常の食生活ではありえない。
- ナトリウムを摂りすぎた場合:
- 高血圧になる可能性がある。
- 胃がんのリスクを増加させる可能性がある。
リン – Phosphorus (P)
リンの摂取量
年齢性別等 | 目安量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 1,000mg / 3,000mg |
成人女性 | 800mg / 3,000mg |
5歳 | 700mg |
妊婦 | 800mg |
授乳婦 | 800mg |
リンの詳細
- リンの機能:
- 体内のリンの85%は骨に、14%が軟組織や細胞膜に、1%が細胞外液に含まれる。
- カルシウムとともにハイドロキシアパタイトとして骨格を形成する。
- ATPの形成、その他の核酸や細胞膜リン脂質の合成、細胞内リン酸化を必要とするエネルギー代謝。
- リンは多くの食品に含まれているため、通常の食生活では不足しない。
- 加工食品等で食品添加物としてリンが使用されている。
- リンを摂りすぎた場合:
- 腸管におけるカルシウムの吸収を抑制する。
- 骨密度の低下につながる可能性が考えられている。
- リンを含む食べ物:
- ちりめんじゃこ。
カルシウム – Calcium (Ca)
カルシウムの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 800mg / 2,500mg |
成人女性 | 650mg / 2,500mg |
5歳 | 600mg |
妊婦 授乳婦 | 650mg |
カルシウムの詳細
- カルシウムの機能:
- 体内のカルシウムの99%は骨と歯に含まれている。
- 残りは血液や組織液、細胞に含まれている。
- 血液中のカルシウムの濃度は、骨からカルシウムを吸収したり、カルシウムで骨を形成したりして、調節されている。
- カルシウムが足りない場合:
- 骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化が起こる。
- カルシウムを摂りすぎた場合:
- 高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘等が起こる。
- カルシウムを含む食べ物:
- 牛乳。
- 豆腐。
マグネシウム – Magnesium (Mg)
マグネシウムの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 |
---|---|
成人男性 | 340mg |
成人女性 授乳婦 | 270mg |
5歳 | 100mg |
30歳妊婦 | 330mg |
マグネシウムの詳細
- マグネシウムの機能:
- 骨や歯の形成並びに多くの体内の酵素反応やエネルギー産生に関与。
- 体内のマグネシウムの50%は骨に含まれている。
- マグネシウムが足りない場合:
- 低マグネシウム血症になり、吐き気、嘔吐、眠気、脱力 感、筋肉の痙攣、ふるえ、食欲不振等が起こる。
- 骨粗鬆症、心疾患、糖尿病等のリスクが上がる可能性が考えられている。
- マグネシウムを摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 下痢が起こる。
- マグネシウムを含む食べ物:
- そば、わかめ。
鉄 – Iron (Fe)
鉄の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 7.5mg / 50mg |
成人女性(月経なし) | 6.5mg / 40mg |
成人女性(月経あり) | 10.5mg / 40mg |
5歳 | 5.5mg / 25mg |
30歳妊婦(初期) 30歳授乳婦 | 9.0mg |
30歳妊婦(中期、後期) | 16mg |
鉄の詳細
- 鉄の機能:
- ヘモグロビンや各種酵素を構成する。
- 鉄が足りない場合:
- 貧血や運動機能、認知機能等の低下が起こる。
- 鉄を摂りすぎた場合:
- 鉄サプリメントの使用が総死亡率を上昇させると考えられている。
- 成人では慢性疾患の発症を促進すると考えられている。
- 鉄を含む食べ物:
- 納豆、豚レバー。
亜鉛 – Zinc (Zn)
亜鉛の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 11mg / 40mg |
成人女性 | 8mg / 35mg |
5歳 | 4mg |
30歳妊婦 | 10mg |
30歳授乳婦 | 12mg |
亜鉛の詳細
- 亜鉛の機能:
- 体内の亜鉛は、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓等に含まれる。
- 亜鉛が足りない場合:
- 皮膚炎や味覚障害、慢性下痢、免疫機能障害、成長遅延、性腺発育障害等が起こる。
- 亜鉛を摂りすぎた場合(通常の食生活ではありえない):
- 銅の吸収阻害、鉄の吸収阻害が原因の貧血、胃の不快感等が起こる。
- 亜鉛を含む食べ物:
- 牡蠣。
マンガン – Manganese (Mn)
マンガンの摂取量
年齢性別等 | 目安量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 4.0mg / 11mg |
成人女性 | 3.5mg / 11mg |
5歳 | 1.5mg |
妊婦 授乳婦 | 3.5mg |
マンガンの詳細
- マンガンの機能:
- 体内のマンガンの25%は骨に、残りは生体内組織及び臓器にほぼ一様に分布する。
- マンガンが足りない場合:
- 動物では、骨の異常、成長障害、妊娠障害が起こるとされている。
- ヒトでは、成長抑制とびまん性の骨の脱石灰化が起こる可能性があると考えられている。
- マンガンを含む食べ物:
- 栗。
- れんこん。
銅 – Copper (Cu)
銅の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 0.9mg / 7mg |
成人女性 | 0.7mg / 7mg |
5歳 | 0.4mg |
30歳妊婦 | 0.8mg |
30歳授乳婦 | 1.3mg |
銅の詳細
- 銅の機能:
- 体内の銅の65%は筋肉や骨、10%は肝臓中にある。
- エネルギー生成や鉄代謝、細胞外マトリクスの成熟、 神経伝達物質の産生、活性酸素除去などに関与。
- 通常の食生活で銅を摂りすぎることはない。
- 銅を含む食べ物:
- ココア。
- くるみ。
ヨウ素 – Iodine (I)
ヨウ素の摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 130μg / 3,000μg |
5歳 | 60μg / 400μg |
30歳妊婦 | 240μg / 2,000μg |
30歳授乳婦 | 270μg / 2,000μg |
ヨウ素の詳細
- ヨウ素の機能:
- 体内のヨウ素の70〜80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成する。
- 甲状腺ホルモンは生殖、成長、発達等の生理的プロセスを制御し、エネルギー代謝を亢進させ、胎児の脳、末梢組織、骨格などの発達と成長を促す。
- ヨウ素が足りない場合:
- 甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌亢進、甲状腺の異常肥大、又は過形成(甲状腺腫)が起こる。
- 妊娠中は死産、流産、胎児の先天異常、胎児甲状腺機能低下(先天性甲状腺機能低下症)を招く。
- 重度の先天性甲状腺機能低下症は全般的な精神遅滞、低身長、聾唖、痙直を起こす。
- 粘液水腫型胎生甲状腺機能低下症を示すこともある。
- ヨウ素を摂りすぎた場合:
- 甲状腺へのヨウ素輸送が低下する「脱出」現象が起こり、甲状腺ホルモンの生成量は基準範囲に維持される。
- この現象が長期にわたれば、甲状腺ホルモン合成量は低下し、軽度の場合には甲状腺機能低下、重度の場合には甲状腺腫が発生する。
- ヨウ素を含む食べ物:
- 焼海苔。
- タラ。
セレン – Selenium (Se)
セレンの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 30μg / 450μg |
成人女性 | 25μg / 350μg |
5歳 | 15μg / 100μg |
30歳妊婦 | 30μg |
30歳授乳婦 | 45μg |
セレンの詳細
- セレンの機能:
- セレノシステイン残基を有するたんぱく質、セレノプロテインとして生理機能を発現。
- 抗酸化システムや甲状腺ホルモン代謝に関与。
- セレンが足りない場合:
- 心筋障害を起こす克山病(Keshan disease)、カシン・ベック病(Kashin-Beck disease)などが起こる。
- セレン欠乏症と判断された、下肢筋肉痛、皮膚の乾燥・薄片状、心筋障害などの症例が確認されている。
- セレンを摂りすぎた場合(通常の食生活では可能性が低い):
- 最も高頻度の症状は、毛髪と爪の脆弱化・脱落。
- 胃腸障害、皮疹、呼気にんにく臭、神経系異常等が起こる。
- グラム単位の摂取で、重症の胃腸障害、神経障害、呼吸不全症候群、心 筋梗塞、腎不全等が確認されている。
- セレンを含む食べ物:
- マグロの赤身、ブリ。
モリブデン – Molybdenum (Mo)
モリブデンの摂取量
年齢性別等 | 推奨量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 | 30μg / 600μg |
成人女性 | 25μg / 500μg |
5歳 | 10μg |
30歳妊婦 | 25μg |
30歳授乳婦 | 28μg |
モリブデンの詳細
- 確かな情報が少ない。
- モリブデンを含む食べ物:
- 豚レバー。
- 豆腐。
クロム – Chromium (Cr)
クロムの摂取量
年齢性別等 | 目安量 / 耐用上限量 |
---|---|
成人男性 成人女性 | 10μg / 500μg |
1歳未満 | 1.0μg |
1歳〜17歳 | – |
妊婦 | 10μg |
授乳婦 | 10μg |
クロムの詳細
- 確かな情報が少ない。
- クロムを含む食べ物:
- ひじき。
- じゃがいも。