2015年1月に接ぎ木の桃の木を買い、鉢植えでマンション3階のベランダで育てはじめた。品種は『あかつき』。

鉢に植えた年は桃が1個しかできなかったが、その次の年から(2016年〜2018年)は毎年5個位採れた。更に2019年からは10個位採れるようになった。大きさは市販の桃と比べたら小さめだけど、採れたての桃は実が硬めで、食感がコリコリしていて、甘くて美味しい。

2021年現在、桃の木を買ってから6年以上経っているが、まだ生きていて、2021年も美味しい桃が10個採れた。

ベランダでの鉢植えで育てている自分が観察したこと、考察したこと、自分だけの文化を記述する。

2019年7月12日
桃を切った状態(2019年7月6日)

主な手入れ

ベランダでの鉢植えで育てている自分の手入れ。

3月上旬肥料を与える。
根詰まりしていたら、植え替えるか、スコップを土に刺して根っこを切り、水が浸透しやすく調整する。(2年に1回は詰まる。)
必要に応じて土を足す。(風等で減ってしまっている場合等。)
3月下旬〜4月上旬花が咲く。
軽く綿棒で人工受粉をする。(うちの『あかつき』は人工受粉しなくても、実がそこそこできる。)
4月下旬〜5月上旬花が散ったら、ある程度摘果。
葉っぱとのバランス、間隔のバランス、枝ごとの数等を調整して摘果。
実が大きくなっているものをなるべく残す。
肥料を与える。
伸びすぎな枝を剪定。
5月下旬〜6月上旬梅位の大きさになったら袋掛け。
摘果して10個ほど残す。
伸びすぎな枝を剪定。
7月上旬大きくて赤い実から収穫。
9月〜葉っぱを処理して肥料を与える。枝が多すぎたり長すぎる場合は整えるため剪定する。
うちの桃の木『あかつき』の手入れ(ベランダで鉢植え)

環境についての考察

日が当たって風が通る場所に置く

日が葉っぱに当たらないと育たない。夏は太陽が高く登るため、なるべくベランダの外側に近づけ、日が当たる時間をなるべく延ばす。

日が当たる場所

鉢は陶器鉢で色は黒が良い

色々な鉢を使ってみたが、プラスチックの鉢が水はけが一番悪くて、成長も悪かった(実が育たない)。鉢は陶器鉢が良い。

更に、赤と黒の陶器鉢で育ててみたが、黒い陶器鉢の方が水はけが良くて、実が育った。太陽による熱のおかげなのか、原因は分からない。見た目は赤の方が良かったが、桃の木への効果は黒の方が良いみたい。

鉢の大きさは、植えたときは8号だったが、枝が勢い良く伸びたため、1年後に10号に植え替えた。今は10号を超えないように根っこと枝の大きさを調整している。

一番育った桃の木の鉢(2017年から)

水やりの頻度は適切に

根腐れすると回復が難しいため、実や花を育てる時期以外は、表面が完全に乾いた状態をしっかり待つほうが良い。特に葉っぱの無い冬の水やりは1週間から2週間に1回しかあげない。

花が育ち、枝が伸びている時期は、完全に乾いた状態を避けて表面が乾いてきたら水を与える。

5月下旬と6月、実が育っているときは、多少表面が濡れていようが毎日水を与えても大丈夫。

水やりする際の水の量は多め。土に浸透するように2-3回に分けて、鉢皿から水があふれるほど与えている。

核割れを防ぐため、なるべく同じ状態をキープする。

肥料を与える

鉢植えであるため、肥料は多めに与えている。ただし育ちすぎるため、しっかり剪定し、根っこと枝のバランスを取るため根っこも切る必要がある。

色々な肥料があるが、2017年から、与えている肥料は1種類に絞っているが、今の所問題なく実ができていて、美味しい。

この肥料は『苗木部』という通販サイト(https://www.hanahiroba.com/)で買っている。

自然のままでは育たない(花、実、枝、根っこ)

2015年当初は自然なまま育てるとどうなるか見ていたが、色々と問題があった。

  • 花が多すぎる。実が多すぎる。
  • 実がなっても困る場所に実ができる。
  • 枝が多すぎる。枝が伸び過ぎる。
  • 根っこが詰まって水やりしても水がしばらく溜まってしまう。

ベランダで人工的に育てている上、「綺麗な花を楽しみたい」、「美味しい桃を採りたい」等の価値観は人間の価値観であるのため、人間の手入れが不可欠であることを実感。『あかつき』という品種がそもそも自然界では存在し得ない可能性もあるし、自然では育たない可能性もある。自然の木はそもそも子孫繁栄さえできれば満足で、実が大きくて甘くて美味しい必要なんてないはずだ。

害虫

マンション3階のベランダなので害虫は少ないほうだと思うが、一応虫は来る。

一番被害になるのが、ハダニ。ハダニが発生すると、葉っぱ全体を広がり、放っておくことはできないので、ハダニに関しては少しでも発生したらすぐに市販のスプレー(できるだけ害のないもの)で退治・予防している。

蝶々は卵を産んだりするが、幼虫が葉っぱを食べても被害は限定的。葉っぱを食べる虫も大量発生しない限り大きな問題は無い。

花、実ができるまでの手入れについての考察

人工受粉、花の整理

花が咲いている最中は花を観ての楽しむ。

人工受粉する場合は、花が咲いている最中に綿棒で軽く行う。うちの桃の品種『あかつき』は、ほとんどいじらなくても風で受粉できている。

花びらが散った頃に実を育てる準備をする。次のような花を処分していく。

  • 実がならない花(受粉していなくて雄しべが太くなっていない)は処分。
  • 一箇所に2つ以上咲いていた花。1つだけ残す等して処分。
  • 実が成長したら枝やベランダの壁等が邪魔になって傷がついてしまう場合、その花を処分する。
  • 上を向いていて、実がなっても落下しそうな場合、処分する。
  • 枯れている花は処分する。

実を摘果する

花の雄しべが膨らみ、立体感が出てきたら、なるべく早めに摘果する。次のような実を処分していく。

  • 実が成長したら枝やベランダの壁等が邪魔になって傷がついてしまう場合は、その実は処分する。(花の段階で処分していなかった場合。)
  • 実が成長したら他の実とぶつかる場合、条件が良い方(日が当たる>形が良い>大きい)を残す。
  • 同じ枝に何個も実がなっている場合はある程度間引く。目安として葉っぱ10枚〜30枚に対し実を1つ。なるべく条件が良い桃(日が当たる>形が良い>大きい)を残す。

実を育てる際の考察

袋掛けを検討

袋掛けする理由は、害虫に傷つけられることを防ぐためと、偏った日焼けをしないようにするため。

  • マンション3階のベランダでも蝶々が卵を産みに来るので、害虫に傷をつけられるリスクは多少ある。
  • 桃の上に葉っぱがくっついている状態だと、人間が水着来て日焼けするのと同じで、日焼け跡が残る。袋掛けすると光の強さをある程度均等にしてくれる。

ただ、袋掛けをすると中の実の状態が見えなくて、いつ頃収穫の時期か分かりづらかったり、楽しみが減ってしまうので、任意のいくつかは裸にしておく方がモチベーションになる。

袋掛け用の袋はAmazonで売っている(うちが買ったやつ:https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00JY1INVY)。針金が付いているものが使いやすい。

袋をかけた状態

紐で枝を支える

桃の実が大きくなっていくと、その重さで枝が曲がったり、下がってしまって、日が当たらなくなってしまうことがある。それを防ぐ方法として、紐(麻紐等)を使って枝を支えてあげている。ベランダは紐を引っ掛ける場所が多いため、ベランダを有効活用できる。

木の大きさについての考察

鉢植えの桃の木は根っこが生えるスペースが限られている。その根っこで供給する栄養が足りない場合は実が育たないので、供給不足にならないように枝のサイズを制限し、不要な枝は処分して効率化する必要がある。

枝を整理する

次のような枝を整理する。

  • 枝に実ができても育てられない場合、その枝は処分する。(実ができてもどこかに当たって傷が付いてしまう等。)
  • 同じ場所で同じ方向に伸びている枝、混み合った枝は処分する。
  • 日陰の方に伸びている枝は切る。(なるべく日差しが当たりやすい方に枝を伸ばす。)
  • 根っこに対し枝が伸びすぎたら切る。

根っこを整理する

根っこも放っておけば伸びて、鉢の中で根詰まりしてしまう。そのため、花や実を育てていない時期に根っこも整理する。

  • 鉢のサイズが10号未満なら、必要に応じて植え替える。
  • スコップを土に刺して根っこを少しカットする。水はけが一時的に解消することがあるが、切った根っこを含む土は保湿力が通常より高いまま。いずれは植え替えるか植え直すことが必要にある。
  • かなり詰まっているなら一度鉢の中身をゴミ袋に取り出して熊手やスコップ等で土を落とし、混み合った根っこを切り落とし、新しい土に植え直す。

根っこに合わせて枝のサイズを調整する。サイズ感やバランス感覚は適当に考える。大体2年に1度は根っこを処理しないとならないが、多分これが一番大変な作業だと思う。


佐原 瑠能

さいたま市浦和区在住、2児の父、4人家族で生活。 フランスに約18年住んでいた。